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夜尿症とは

5歳を過ぎても続くおねしょ

5歳を過ぎても続くおねしょ

夜尿症とは、眠っている間に無意識に排尿してしまう状態をいいます。一般的に、5歳を過ぎても月に1回以上のおねしょが3か月以上続く場合を「夜尿症」と呼びます。

成長とともに改善することが多い

おねしょは乳幼児期にはごく一般的にみられ、年齢とともに自然に減っていきます。7歳では約10人に1人(10%)に夜尿症がみられますが、10歳では5%となります。
小学校高学年になっても続くお子さまもいますが、多くは成長とともに改善していきます。

しつけやご本人の意思によるものではありません

夜尿症は、しつけやお子さまの性格、本人の意思によって起こるものではありません。成長のペースには個人差があるため、叱ったり焦ったりせずに向き合うことが大切です。

ご両親のどちらかに夜尿症の経験がある場合は、お子さまにもみられやすいことが知られており、体質や遺伝的な要因も関係すると考えられています。

夜尿症が起こる理由

夜尿症には、主に次の3つの要因が関係しています。

  • 夜間につくられる尿の量が多い
  • 膀胱にためられる尿の量が少ない
  • 尿がたまっても目を覚ましにくい

これらの要因がひとつだけではなく、複数重なっていることもあります。また、便秘や睡眠の問題などが影響している場合もあります。

夜尿症のタイプ

夜尿症は、夜間につくられる尿の量と、膀胱にためられる尿の量によって、大きく3つのタイプに分けられます。タイプによって適した治療方法が異なるため、お子さまの状態を確認しながら治療方針を検討します。

多尿型

睡眠中につくられる尿の量が多く、膀胱からあふれてしまうタイプです。夜間の尿量を減らす薬が治療の選択肢になります。

膀胱型

睡眠中に膀胱へためられる尿の量が少ないタイプです。おねしょアラームなどによる治療を検討します。

混合型

夜間の尿量が多く、膀胱にためられる量も少ないタイプです。お子さまの状態に応じて、複数の治療方法を組み合わせます。

昼間の排尿症状も確認します

夜のおねしょだけでなく、昼間のおもらしや頻尿、急な尿意などがみられる場合もあります。この場合は、昼間の症状に対する治療を優先することがあります。

夜尿症の診察と検査

診察では、このようなことを丁寧に確認します

  • おねしょの頻度や時間帯
  • これまでの経過
  • 日中の排尿や排便
  • 睡眠の様子 など

必要に応じて尿検査をおこなうほか、おねしょをした日や水分摂取量や排尿の時間などを記録する「夜尿日誌」をつけていただきます。
お子さまの状態を確認したうえで、夜尿症のタイプやご家庭の状況に合った対応をご提案します。

夜尿症の治療

夜尿症の治療は、まず生活習慣の見直しから始めます。改善が十分にみられない場合は、お子さまの状態に応じて、薬物療法やアラーム療法を検討します。

生活習慣の見直し

  • 日中は十分に水分を摂る
  • 夕方以降の水分は控えめにする(夕食を含め寝るまでにコップ1杯程度)
  • 夕食の時間が遅くならないようにする
  • 日中も我慢しすぎず、定期的にトイレへ行く
  • 就寝前にトイレを済ませる
  • 規則正しい生活と睡眠を心がける
  • 便秘がある場合は、あわせて改善する
  • 冬場などは体を冷やさないようにする

水分を必要以上に制限する必要はありません。年齢や体格、季節などによって適切な量は異なるため、医師の説明に沿って調整しましょう。

薬物療法

デスモプレシン

夜間につくられる尿の量が多い場合には、デスモプレシンというお薬を使用することがあります。体内の抗利尿ホルモンの働きを補い、夜間の尿量を減らすお薬です。
服用前後に水分を多く摂ると、体内の水分バランスが崩れ、まれに水中毒を起こすことがあります。そのため、夕食後から翌朝までの水分摂取については、医師の指示を必ず守ってください。
多量に水分を摂った日や、発熱・嘔吐・下痢などによって水分補給が必要なときは服用せず、医師にご相談ください。

抗コリン薬

日中の頻尿や急な尿意がある場合、膀胱に十分な量の尿をためにくい場合などには、膀胱の収縮を抑える抗コリン薬を検討することがあります。デスモプレシンと併用することが多いです。

アラーム療法

アラーム療法は、下着などに取り付けたセンサーが尿を感知すると、音や振動で知らせる治療法です。
継続することで、夜間に膀胱へためられる尿の量が増え、夜尿の回数が減る効果が期待できます。効果が現れるまでには数週間から数か月かかることがあり、ご家族の協力も必要です。

薬物療法とアラーム療法のどちらが適しているかは、お子さまの症状や生活環境、治療の希望などを踏まえて一緒に考えていきます。

このような場合にはお早めに当院までご相談ください

次のような症状がある場合は、夜尿症以外の病気が隠れていないか確認するため、お早めにご相談ください。

  • 日中にもおもらしがある
  • トイレが近い、急な尿意を我慢できない
  • 排尿時に痛みがある
  • 水分を極端に欲しがり、尿の量も多い
  • 便秘が続いている
  • いびきが大きい、睡眠中に呼吸が止まることがある
  • 半年以上おねしょがなかったのに、再び始まった

ご家庭で大切にしていただきたいこと

ご家庭で大切にしていただきたいこと

おねしょを叱っても、改善にはつながりません。かえってお子さまの自信を失わせ、治療への意欲を低下させてしまうことがあります。
治療上の指示がない限り、毎晩決まった時間に無理に起こす必要もありません。

「焦らず、起こさず、叱らず」を基本に、できたことに目を向けながら見守りましょう。

ご家族が思い詰めすぎないことも大切です。少し肩の力を抜き、お子さまの成長のペースに合わせて取り組んでいきましょう。

よくあるご質問

おねしょは、何歳から相談してもよいですか?

5歳頃からご相談いただけます。実際に治療を始める時期は、おねしょの頻度やお子さまの困りごとなどによって異なります。就学前は、主に生活習慣についてアドバイスします。

デスモプレシンとアラーム療法のどちらがよいのでしょうか?

夜尿症のタイプや生活環境によって、適した治療法が異なります。診察のうえ、お子さまとご家庭に合った方法をご提案します。

宿泊行事が近いのですが、間に合いますか?

治療法によって、効果が現れるまでの期間が異なります。宿泊行事の日程が決まっている場合は、できるだけお早めに当院までご相談ください。お薬を使用する場合は、事前に効果や服用方法を確認したうえで、当日の対応を検討します。

院長 髙嶋 能文 (Yoshifumi Takashima)

執筆者

ぱすてるキッズクリニック長原

院長髙嶋 能文(Yoshifumi Takashima)

資格

  • 日本小児科学会 小児科専門医
  • 日本血液学会 血液専門医
  • 日本医師会認定 産業医

学会

  • 日本小児科学会
  • 日本血液学会
  • 日本外来小児科学会
  • 日本小児臨床アレルギー学会
  • 東京小児科医会

電話番号03-6451-7520

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