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ドクターズインタビュー

2026年10月、長原商店街の中に開院した「ぱすてるキッズクリニック長原」

院長の髙嶋 能文先生は、小児医療に30年以上携わり、専門病院での入院診療からクリニックでの外来診療まで、幅広い経験を重ねてきました。医師を志したきっかけやこれまでの歩み、診療で大切にしていること、そして新しいクリニックに込めた思いについて伺いました。

小児科医を目指した理由を教えてください

身近な方からの一言が、医師を志すきっかけになりました。
もともと医師を目指していたわけではなく、高校生の頃は薬剤師になろうと考えて勉強を始めていました。進路を変えるきっかけになったのは、知り合いの看護師さんからかけられた言葉です。「医療に深く関わりたいのなら、患者さまと直接向き合える医師のほうが向いているのではないか」という言葉に背中を押されて医学部を目指すことにしました。

これまでのご経歴を教えてください

静岡県の出身で、大学は山梨県にある山梨医科大学(現・山梨大学)へ進学しました。卒業後は静岡県立こども病院に勤務し、初期研修から16年間にわたり、血液疾患を中心とした診療に携わりました。小児がんのお子さまに対する化学療法など、入院治療が必要な患者さまと深く関わる機会の多い時期でした。血友病をはじめとする血液疾患についても、この間に数多く診療してきました。その後は東京に移り、都内の小児科クリニックで外来診療に携わってきました。専門病院とクリニックでの経験を合わせると、小児医療に携わって32年になります。

開業を決められた理由を教えてください

以前は、内科と小児科を併設するクリニックに勤務していました。ただ、内科と小児科を一緒に診療する体制では、お子さまに合わせた診療が難しいと感じる場面もありました。そのようななか、以前一緒に働いていた先生が当院を運営する医療法人桜仁会に加わっていることを知り、そのご縁から私も新しいクリニックの立ち上げに携わることになりました。
小児科専門のクリニックで、お子さま一人ひとりにしっかりと向き合いたい。
その思いが、今回の開業につながっています。

この場所、長原で開業された理由はありますか

医療法人桜仁会が運営するクリニックがこの地域に複数あったことが、長原を選んだきっかけのひとつです。
当院がある長原商店街には日々多くの人が行き交い、小さなお子さまからご高齢の方まで、幅広い世代が暮らしています。ファミリー層が多く、地域のなかで小児医療への需要があると感じたことも、この場所を選んだ理由です。

これまでの経験を新しいクリニックでどのように生かしていきたいですか

専門病院で培った血液疾患の知識と、外来診療を通して積み重ねてきた経験を、日々の診療に生かしたいと考えています。専門病院に勤務していたころは、入院しているお子さまと長い時間をかけて関わることができました。その経験を通して、お子さま本人の話に耳を傾けることの大切さを実感してきました。
外来では診察時間に限りがあるため、入院診療と同じように時間をかけることは難しいかもしれません。それでも、できる限りお子さまの気持ちに向き合う診療を心がけています。

お子さまと接するうえで大切にされていることはありますか

お子さまの年齢や理解度に合わせた言葉で話すことを大切にしています。2歳や3歳のお子さまでも、その年齢に応じた分かりやすい言葉で伝えると、内容を理解し、診察や検査に協力してくれることが少なくありません。
専門病院に勤務していた頃から、小さなお子さまにも丁寧に説明する「インフォームド・アセント※」という考え方を実践してきました。この経験が、現在の診療の基本になっています。
診察時間には限りがありますが、できる範囲でお子さま本人の気持ちに耳を傾け、納得して診療を受けてもらえるよう努めています。
※インフォームド・アセントとは、お子さまの年齢や理解度に合わせて分かりやすく説明し、治療や検査について、ご本人にも納得してもらうための考え方です。保護者の方から同意を得るインフォームド・コンセントとは別に、お子さま本人にも説明をおこない、その気持ちや意思を確認します。
お子さまの症状の重さを見極める際、大切にされていることはありますか
お子さまは、一見すると症状が軽そうでも、実際には重い病気が隠れていることがあります。診察では、まず、「ぐったりしていないかとか」「普段と比べて元気がないか」といった全身の様子を確認します。あわせて、「水分をきちんと摂れているか」「発熱が何日続いているか」「呼吸が苦しそうではないか」といった点にも注意しています。
こうした情報を総合的に確認し、見た目だけでは判断しにくい症状の重さを見逃さないようにしています。

保護者の方と接するうえで大切にされていることはありますか

保護者の方に「話しやすい」と感じていただける雰囲気づくりを心がけています。心配していることを言葉にするだけでも、安心できる方はいらっしゃいます。
育児や病気に関する情報がインターネット上にあふれている時代だからこそ、調べれば調べるほど不安が募ってしまう方も少なくありません。
診察の最後には、「ほかに気になることはありませんか」とお声がけするようにしています。
その一言をきっかけに、初めて話してくださる不安や悩みもあるからです。

今後、このクリニックをどのような場所にしていきたいとお考えですか

商店街の中にあるクリニックとして、多くの方にとって足を運びやすく、気軽に相談できる場所でありたいと考えています。お子さまの体調は、夕方や夜、土日に崩れることも少なくありません。そうしたときにも頼っていただけるよう、当院では土曜日と日曜日も診療をおこなっています。
お子さまのことで気になることがあったときに、気軽に立ち寄って相談していただける「地域の保健室」のような存在を目指しています。

最後に、保護者の皆様へメッセージをお願いします

「このようなことを相談してもよいのだろうか」と迷ってしまう保護者の方は少なくありません。診察が終わってから、「実は、こんなことも心配でした」と打ち明けられることもあります。
ご相談いただく内容に制限はありません。少しでも気になることがあれば、遠慮なくお聞かせください。私の専門外の内容であれば調べてお伝えし必要に応じて専門の医師や医療機関へおつなぎします。まずは何でもご相談いただければと思います。